「資料作成はAIに任せれば時短になる」。AIスライド生成ツールの紹介では、ほぼ必ずこう書かれています。
この記事では、それをイルシルの公開されている料金表と制限だけで確かめます。使った感想ではなく、公式に出ている数字を並べ直して、自分で計算します。
結果から言うと、定説は半分だけ本当でした。時短になる条件がはっきりある、というのが調べて分かったことです。
本記事の金額・制限はすべて2026年8月5日時点の公式サイト表示によるものです。料金プランは改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の条件を確認してください。
「無料で使える」がどこまでなのか
イルシルにはフリープランがあります。ここが最初の分岐でした。
| 項目 | フリープラン |
|---|---|
| 月額 | 0円 |
| AIデザイン生成 | 月3枚 |
| 作成できる資料 | 3個まで |
| AIに渡せる文字数 | 1,600文字 |
| PDF / PowerPoint出力 | できない |
引っかかるのは最後の行です。フリープランでは作ったスライドを書き出せません。
提案書を作って社内で共有する、客先にPDFで送る。実務でやることはだいたい出力が要ります。つまりフリープランは「試す枠」であって、仕事を回す枠ではありません。
生成枚数の上限も効いてきます。10枚の資料を1本作ろうとした時点で、その月の枠は使い切ります。
「無料で使える」は嘘ではありません。ただし無料のままで資料作成が時短になることはない、というのが正確なところだと考えています。
有料プランを1枚あたりの単価に割り直す
では有料はいくらか。公開されている料金と生成枚数を並べて、こちらで割り算をしました。
| プラン | 月額(税込) | AIデザイン生成 | AIに渡せる文字数 | 1枚あたり |
|---|---|---|---|---|
| フリー | 0円 | 月3枚 | 1,600文字 | 出力できないため対象外 |
| パーソナル | 1,848円 | 月40枚 | 3,000文字 | 約46円 |
| パーソナルプラス | 5,500円 | 月200枚 | 10,000文字 | 約28円 |
| 法人 | 要見積もり | 月500枚 | 10,000文字 | 見積もり次第 |
上位プランのほうが1枚あたりは安くなります。ただし月額そのものは3倍です。
| 比較 | 年間の支払い |
|---|---|
| パーソナルを12ヶ月 | 22,176円 |
| パーソナルプラス(年額) | 66,000円 |
判断の材料になるのは月額の安さではなく、自分が月に何枚作るかです。
46円は使い切った場合の数字だった
ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。
先ほどの単価は、生成枠を上限まで使い切った場合の数字です。使い切らなければ、1枚あたりの単価はそのぶん跳ね上がります。
パーソナルプラン(月1,848円)を、実際の使用量で割り直すとこうなります。
| 月に作る枚数 | 実効単価 | 提案書に換算 |
|---|---|---|
| 40枚(上限まで) | 46円 | 約2.6本 |
| 30枚 | 62円 | 2本 |
| 20枚 | 92円 | 約1.3本 |
| 10枚 | 185円 | 0.6本 |
| 5枚 | 370円 | 0.3本 |
※提案書1本を15枚として換算しています。
月10枚しか作らない人にとって、実質の単価は185円です。 46円の4倍です。
紹介記事に出てくる単価は、たいてい上限まで使い切った前提で計算されています。自分の使用量で割り直さないと、実際の負担は見えません。
そして上限の側にも天井があります。上の表のとおり、枠を使い切っても提案書3本には届きません。週に何本も資料を作る人には足りない計算です。逆に月1本で足りる人は、枠を余らせることになります。
枠を余らせる人ほど、1枚あたりのコストは高くつきます。 ここが時短になるかどうかの分かれ目だと考えています。
確かめられなかったこと
正直に書きます。調べても裏が取れなかった点が2つありました。
1つめは無料トライアルの期間です。 「2週間」と書いている解説記事と、「3日間」と書いている記事の両方がありました。プランによって違うのか、時期によって変わったのかまでは判断できませんでした。ここは申し込み画面で確認してください。
2つめは生成の速度です。 「数秒でスライドができる」という表現をよく見かけますが、公式に秒数が示された記載は見つけられませんでした。実際に測った数字ではないので、この記事では速度を根拠にしていません。
定説はどこまで本当だったか
最初の「AIスライド生成で時短になる」に戻ります。調べた範囲で言えるのは、この3つでした。
- 無料の範囲では時短にならない。 出力できない設計なので、試用のための枠です
- 時短が成立するのは、月額を払ってなお浮く時間がある人だけ。 資料を作る頻度が判断の起点になります
- 単価は使用量で4倍変わる。 紹介記事の単価は上限まで使い切った前提なので、自分の枚数で割り直す必要があります
だから「AIを入れれば速くなる」で判断せず、自分が月に何枚作るかを先に数える。それが分かれば、フリーで足りるのか、払う価値があるのかは自分で判断できます。
なお動作環境にも条件があります。対応ブラウザはGoogle ChromeとMicrosoft Edgeで、Safariは対象外です。スマートフォンでの編集もできません。PCで作業する前提のツールなので、そこも確認しておいてください。
テンプレートは3,000種類以上が用意されています。自分の資料に合うかどうかは触ってみないと分からない部分なので、フリープランで確かめるのが確実です。出力はできませんが、テンプレートとの相性は無料の範囲で判断できます。
この記事で使った情報の出典(2026年8月5日時点)
1枚あたりの単価、実効単価、提案書への換算は、公開されている料金と枚数から筆者が計算したものです。

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